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名演2017年7月例会 劇団民藝公演

蝋燭の灯、太陽の光

作:テネシー・ウィリアムズ
訳:吉原豊司 演出:高橋清祐

7月18日(火)6時30分
   19日(水)1時30分
        6時30分      

日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
地図

上演時間2時間40分
(途中休憩15分を含む)

フル・サークル表 フル・サークル裏
あらすじ
みどころ
キャスト・スタッフ
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会費 月額一般 2700円 29歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  3000円 29歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
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 正義感に燃える青年ウィリアムズによる無名時代の異色作!

世界恐慌にゆれる炭鉱町を舞台に、貧しさにあえぐ家族の苦しみと、明るい昨日の光を、綿密にそしてドラマチックに描き出す

 この作品は、『ガラスの動物園』や『欲望という名の電車』などで知られるテネシー・ウィリアムズが、劇作家として名をなす前に書かれた戯曲。社会の底辺で生きる人々の苦しみと明るい希望の光とを、正義感に燃える25歳の若者らしくまっすぐに描いています。
 舞台は、世界恐慌の嵐が吹き荒れるアメリ力・アラバマ州の炭鉱町。そこで暮らす、貧しい炭坑夫一家三世代10年間の物語。
 一家の主ブラムは、石炭を掘り家族を養っている事を誇りに働き続けています。嫁のファーンは、炭鉱事故で夫(つまりブラムの長男)を亡くしたこともあって、幼い一人息子ルークには学校へ行かせ、別の道を歩かせたいと願い、貧しい中息子のために学費を貯金。
 しかし、親の心子不知。ルークが17歳になった時、足りない学費を自分で稼ぐといって、ファーンの反対を押し切り、炭鉱で働き出します。どころか、ファーンがルークのために貯めたお金を、町の人々を助けるために使うと言い出す始末……。そして、

 

 この作品は今から80年前、テネシー・ウィリアムズが劇作家として名を成す前の25歳の時の作品です。登場人物は、アラバマの炭坑町で貧困にあえぐ炭坑一家とその隣人たち。時は世界恐慌にさらされた1924年〜1936年までの10年間、相次ぐ炭鉱事故と会社の搾取に追い詰められた人々の生きざま…彼らが取った現実からの脱皮方法は…。

 テネシー・ウィリアムズといえば『ガラスの動物園』や『欲望という名の電車』で代表されるメランコリックで叙情的な作風が想起されますが、この作品では「貧しい中でも生きる術を健気に追い求める人々」が描かれ、若きウィリアムズのエネルギーがみなぎる力作となっています。

 日色ともゑの演技が「地に根を張ったような強さをもって迫る」と好評、第22回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しています。

テネシー・ウィリアムズ論

 テネシー・ウィリアムズ(本名トーマス・ラニア・ウィリアムズ)は、1911年生まれで、1983年71歳で亡くなっている。テネシーは、アーサー・ミラーと並ぶ、現代アメリカ演劇を代表する戯曲家である。彼は13才(中学生)の頃から短編小説を書き始め、亡くなる直前まで執筆を続けた多彩で多作な作家である。そのジャンルも、小説・詩・自伝・エッセー・様々な批評・戯曲と広い。そして「常に、人は前進(変化)しなければならない。」というのが信念の人であった。だから、彼は死ぬまで新しい世界に挑戦し続けた。その作品量は膨大な数に上る。また、出版されていない作品も多い。上演台本としか残っていないものも多い。この『蝋燭の灯、太陽の光』もそうで、上演劇団ママーズの関係者が持っていたものが、1937年上演、再発見2004年だから、67年ぶりに発見されたのだ。こんな大傑作が埋もれていたのだから、どんな素晴らしいものが今後発見されるか、大いに期待される所だ。またこの作品を翻訳し、民藝に紹介した吉原豊司さんの功績もとても大きい。死ぬまで変化し続けたテネシー・ウィリアムズの世界は、一人の作家とは思えないほど、多彩で多様だ。ただ、テネシーの世界は、より抽象的、より象徴的、より前衛的になっていったがゆえに、読む戯曲としてはともかく、上演台本としてはどんどん難解になっていった。目で読むものなら、少数でも熱烈な愛好者がいれば成立するが、上演する戯曲となると、あまり難解になると、広い劇場、多数の観客を相手にしなければならないと、成功は難しくなる。しかも採算が取れないと、長期の上演も無理となる。エリア・カザンといった、テネシー好きの演出家・脚色家、映画監督も多かったので、彼らが大幅に書き直して、劇場でそれなりに上演し、映画などはむしろヒット作ともなった。その結果、テネシーは流行作家として成功しお金持ちにもなった。しかし、それがまた彼の作風にも影響したと思われる。いわゆる社会的なテーマはかげをひそめるようになっていく。しかし個人としての、人の生き方の追求は逆に光鋭化していった。

 今回、テネシーの評伝を二冊、劇作を『ガラスの動物園』『夏と煙』『欲望という名の電車』『焼けたトタン屋根の上の猫』『地獄のオルフェウス』の五作品、そして市川節子さんの『ぼくがイグアナだったこと』というテネシーの作品・作家評論一冊を読んだ。特に『ぼくがイグアナだったこと』に影響を受け、テネシー・ウィリアムズの作品(劇)のテーマが少しわかった気がした。テネシーは Desire(欲望)を追求した作家だという。テネシーの有名な言葉で、「死の反対は、生ではなく欲望である」という言葉がある。この欲望とは“生きる意欲”という事である。また大文字のDesire(欲望)とは。精神的な欲望と肉体的な欲望の一体となったものである。このDesireを求めて、人間の男女は生き、そしてそれに成功すると、そこに子の誕生(再生)がある。そして、個人も人類もより良いものに進歩していくのだ。

 しかし、現実にはこのDesireはなかなか得られない。例えば『ガラスの動物園』の中のローラは理想の夢の中に住んでいるが、訪問客のジムからは肉体的な欲望は満たされても、精神的なものは与えられない。また、『欲望という名の電車』の中のブランチは、幼くて純潔に見える夫アランと結婚する。アランに精神的な憧れを持つことはできるが、肉体的な欲望は満たしてくれない。なかなか大文字の欲望Desireは現実には存在しない。『蝋燭の灯、太陽の光』の中のスターとレッドの関係もそうだ。スターはレッドに対して精神的に惹かれ、同時に肉体的にも惹かれる。男性不信の強かったスターは、初めてレッドを前にして男性と心身ともに一体になっても良いと思う。しかし、集団(社会)のための犠牲を優先するレッドから、肉体的欲望を一時的にせよ拒まれる。個人に、人類に、Desireは本当に訪れるのか、テネシーは疑問を感じているようだ。「人に美しい再生は可能か。」と。

 一幕劇『ランプ』を書いたジョセフ・フェーラン・ホリフィールドの理想とそれを『蝋燭の灯、太陽の光』を書いたテネシーの疑念がせめぎ合っているのが、この作だと思う。どう民藝は上演し、どう観客は受け取るのか。

 追記:『蝋燭の灯、太陽の光』の翻訳台本の吉原豊司さんの台詞が、こなれているのは勿論、芳醇でまろやかで本当にすばらしい。『Candles to the sun』の原題のsun、(太陽)はson(息子)と発音が同じだ。と考えると、息子ルーク(意味は光)に、より良いものへの再生の願いが込められているとも考えることができる。(7月運営サークル Y・K)

 


キャスト

ブラム・ピルチャー(炭鉱夫) 千葉 茂則
ヘスター(その妻) 箕浦 康子
スター(その娘) 桜井 明美
ジョエル(その息子・次男) 細山 誉也
ファーン(ピルチャー家の長男ジョンの未亡人) 日色ともゑ
ルーク(ファーンの息子) 岩谷 優志
バーミンガム・レッド(炭鉱夫) 吉岡 扶敏
ミス・ウォーレス(学校の先生) 河野しずか
ティム・アダムズ(会社が経営する売店のマネージャー) 山本 哲也
ミセス・アベイ(炭鉱支配人の妻) 戸谷  友
エセル・サンター(近所に住むオールドミス) 有安多佳子
ホワイティー・サンタ―(信心深い老人) 今野 鶏三
ショーン・オコーナー(炭鉱夫) 内藤 安彦
テロリストたち・炭鉱夫たち 塩田 泰久
平松 敬綱
岡山  甫
吉田 正朗
大野 裕生
平野  尚
炭鉱夫の妻たち いまむら小穂
印南  唯
神保有輝美

スタッフ

テネシー・ウィリアムズ
吉原 豊司
演 出 高橋 清祐
装 置 堀尾 幸男
照 明 中川 隆一
衣 裳 西原 梨恵
効 果 岩田 直行
舞台監督 中島裕一郎
演出助手 松本 昌子


関連サイト

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『蝋燭の灯、太陽の光』解説 劇団民藝ウェブサイト内 http://www.gekidanmingei.co.jp/performance/2017candlestothesun/

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演劇評論家中村義裕さん演劇批評『蝋燭の灯、太陽の光』http://www.engekihihyou.com/engekihihyou/candles-to-the-sun/

『メープルリーフ・シアター』ウェブサイト http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Studio/2456/index.html


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最終更新日 2017/06/09
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