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名演2015年5月例会 劇団俳優座公演 

   
作/斎藤 憐

演出/佐藤 信眞鍋卓嗣

春、忍び難きを

5月14日(木)6時30分
  15日(金)1時30分
  15日(金)6時30分
      

日本特殊陶業市民会館ビレッホール(名古屋市民会館中ホール)
地図

上演時間3時間
(途中休憩15分を含む)

みどころ
あらすじ
キャスト・スタッフ
関連サイトリンク
会費 月額一般 2700円 29歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  3000円 29歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
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忘れてはいまいか。
ふるさとに置き忘れた生活を
食卓に並んだ品々を
創り主のことを
七十年前のあの日のことを 

 『春、忍び難きを」と言う題名と終戦・農地解放時の庄屋の物語と聞いていたので、脚本を読む前は、「没落して行く旧家の悲哀」みたいなことを想像していたのですが、全然違っていました。この脚本には要所要所に和歌が出てきます。この和歌は祖母にあたる人が書いていた和歌ノートを何十年も後、半ば壊れかけた嘗ての庄屋さんの豪邸から反故になった戦前の国債などと一緒に見つけた和歌だそうです。祖父にあたる人は、自分勝手な事をして、結局お妾さんの所で死んでしまった人です。辛いとき土蔵にこもって書いていたという和歌は切々と心に迫ってきます。和歌は、ノートに書かれていたそのままを使っているそうです。
 脚本を読み進むうち、男性が戦争に行った戦争中から、終戦そして、子供達家族や縁者が身を寄せた戦後まで、終戦の日でさえ休みなく働き、食料を生産し、その家で暮らす人の生存を確保した女性達の物語だと感じてきました。
 この物語の舞台は松本ですが、作者の斎藤憐が終戦で日本に帰国し、身を寄せたのはお母さんの実家の岡山県。そこでの出来事がベースになっています。
 食料や住居に困った時だけ身を寄せて、ほとぼりが冷めたら皆東京へ出て行ってしまい、結局、前からいる女性達と半病人の庄屋だけが残った。そういう事に蓋をして、日本は復興し、発展しました。『春、忍び難きを』。忍び難く思ったのは、あきらかに劇に出てくる3人の女性。戦後70年、本当に自分の生存を守ってくれた人や食べ物を作ってくれる人を改めて考えてみようと言うのが、この劇だと思います。
 今回の劇でも、3人の女性は川口敦子さん等、初演の時のまま。10年間練られた円熟の舞台を早く観たいものです。 

『春、忍び難きを』に期待

初演を観て

戦後まもなくの信州の農村が舞台。作者の斎藤憐さんが、自分の体験をもとに書かれた戯曲。

 信州・松本近郊の里にある、庄屋の望月多聞は、この地の村長であり、また名士であった。敗戦、食糧難などの事情で望月家の子供たちやその家族が帰郷してくる。やがて農地改革の波がこの地にも押し寄せてきた、農地改革や教職追放などでおびえる男たち。

 農地改革に右往左往するこの家の主人。戦前の左翼活動家で、戦地に行き復員したのち、都会に出て資本家になっていく三男。朝鮮で大きな事業を営むものの、身の回りの財産をかかえ引き揚げてきた長男一家。幻の“松代大本営”建設のために強制労働させられた朝鮮人。戦前に出征する学生を前に戦意高揚の書を出し、戦後は教職追放にあい、都会から食うために農村にやってくる大学教授。

 一方では、女たちは、地に足をつけた生活者として登場する。ものもいわず働くだけのように見えながら、初めての女性参政権が与えられ、自分の意志として投票しようとする、主人公の望月多分の妻。そして望月家の大きな労働力である(次男の嫁。そして、働き続ける多聞の姉)。

 農村の世界をリアルに描くと共に、現代に至るまで、日本ではいわば「棄てられた」存在の農村を淡々と描き、戦後の日本が発展のために棄てていったものは何だったのか、戦後60年を迎えた今、改めて振りかえなければならない歴史のことを考えた。また、登場する人物一人ひとりが、類型的でなく時代の波の中で生きていく姿を描いていて、より一層作品内容が深まった感じがした。 2005年5月14日俳優座劇場にて観劇(K)  

美ヶ原に続く山麓に寄り添う静かな村に起こった大事件!

 「春、忍び難きを」は長野県松本盆地の東端、里山辺という丘陵地にある山里が舞台です。去年の暮れにこの物語に誘われるように、里山辺へ行ってきました。ここでは、訪れた時の感想に物語の粗筋等を併せて、訪問記風に書いてみようと思います。

今は、松本市中心地に近く、自然も豊かな地として移り住む人も多い地域です。あちこちに新しい家が建っていました。そういう、家に混じって、昔ながらの豪邸も点在していました。

しかし、地域一帯が全て住宅開発されている新興住宅地という訳ではなく、今でもブドウ畑や田圃・畑が広がり、道祖神が祭られ、山麓には美ヶ原温泉がある「鄙びた山里」の面影も残しているところです。

この物語は、江戸時代以来、永々と続けられてきた平凡な山里の暮らしが、敗戦・農地改革という生活の基盤が根こそぎ変わる大事件に遭遇し、関係するそれぞれの人が、それぞれの立場で自立的にものを考えるようになった過程を詳しく語っています。

それまで表に出られなかった女性達がピックアップされ、大活躍しています。

一方、庄屋で村長の望月多門は、時代の変革に翻弄され、あたふたとし、敗戦の日も何事もなかったかのように農作業を続けたという女性達とコントラストが明白で、まるでブラックユーモアのような雰囲気を醸し、深刻な話題なのに軽妙なタッチにまとまっています。

敗戦で住宅・食糧難となり、望月家の子供や縁者がこの山里に沢山集まり、ひと時賑やかな時が流れますが、一年が過ぎた頃、全ての人がこの山里を捨てて都会に出て行きます。ただ、戦争中から営々と働いてこの家を支えてきた女性達と望月多門だけが残りました。そこから、今に続く「戦後」がスタートしたのです。今では食料の大半を輸入に頼り、命を支える「食べ物」という有り難味が薄くなりつつあります。この物語が書かれたのは、戦後60年の10年前。愛知県では、自然の叡智をテーマにした「愛・地球博」が開催された年です。「もったいない」の考え方で、自然に馴染んだ暮らしにしていこうという考え方は一時期盛り上がりを見せましたが、その後は年々薄らいで行くような感じです。

今年は戦後70年。多くの人が都会に出て行ってしまい「春、忍び難きを!」と嘆きながらも、故郷に残り食料を作り続けた人達のことを、このお芝居を見た一時でも、自分の人生と故郷に残った人の事を併せて振り返えってみる良い機会になるのではと思いました。

(5月運営 Y)

あらすじ  
 夫と息子と農耕馬を戦いに取られた村では、女たちが日本中の食卓を支えていた。

昭和20年、敗戦の終わりの12月、この年は、半世紀に一度の大凶作だった。長野県の松本近郊・里山辺村の庄屋・望月多聞は、この地の村長であり、地主でもある望月多聞はたくさんの小作人を使っていて、この地の名士でもあった。在郷軍人会長、大政翼賛会長、農会長も兼任していた。満州開拓団も送った。

 終戦を迎え、農業を嫌って出て行った子どもたちやその家族が相次いで帰郷してくる。新婚間もない妻を残し、召集された次男・二郎はまだ戦地から帰還していない。帰還兵の幸田が二郎の戦友とあらわれ居座るのだが…。そんな中、農地改革の波が、この地にも押し寄せてきた。農地改革や教職追放などでおびえる男たち。女たちはそんな男たちを尻目に黙々と農作業に精を出していた。食料を目当てに帰郷した子供と家族たちは村を去り、季節のない都会に帰っていった。そして戦後が始まったが…。


出 演

望月多聞(里山辺村長・庄屋) 小笠原良知
サヨ(その妻) 川口 敦子
太郎(その長男・朝鮮で林業を営む) 加藤 佳男
佐和子(太郎の妻) 早野ゆかり
葛西芳孝(多聞の長女の清子の夫・大学教授) 森   一
よし江(次男二郎の妻) 井上  薫
三郎(三男) 脇田 康弘
トメ(多聞の姉) 美   苗
二木房吉(小作・馬喰) 志村 史人
上條誠作(村役場の兵事係) 河原崎次郎
朴潤久(作男) 斉藤  淳
すえ(開拓村の娘) 森根 三和
幸田正(帰還兵) 関口 晴雄

スタッフ

斎藤  憐
演 出 佐藤  信
眞鍋 卓嗣
美 術 佐藤  信
照 明 黒尾 芳昭
効 果 田村  悳
衣 裳 若生  昌
映 像 吉本 直紀
舞台監督 関  裕麻
制 作 山崎 菊雄


関連サイト

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最終更新日 2015/05/04
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