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名演2010年7月例会 劇団前進座公演 

原作/幸田露伴 脚色/津上忠 演出/鈴木龍男

火花散る匠の技
文豪、幸田露伴の描く珠玉のドラマ

「五重塔は百年に一度、一生に一度、
めったに建つものではございません。
死んでも名の残る仕事をしとうございます」

令嬢ジュリー 7月14日(水)6時30分
  15日(木)1時30分
  15日(木)6時30分 
 
中京大学文化市民会館プルニエホール
(名古屋市民会館中ホール)          地図
上演時間
2時間35分予定
(途中休憩15分を含む)
あらすじ
解説 
キャスト・スタッフ
関連サイトリンク
会費 月額一般 2600円 22歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  2900円 22歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
新入会の方は、会費と入会金が必要です。それ以外の入場料は必要ありません。  くわしい名演の入会方法はこちら
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あらすじ

 先年の大火で焼けた谷中感応寺の五重塔建立は、先に本堂を再建した名うての棟梁、川越の源太が請け負うことになっていた。その大仕事を「ぜひとも自分に」と名乗り出たのは、源太の下で世話になっている渡り大工の十兵衛。腕はあるが頑固、融通が利かぬ性格で職人仲間からは“のっそり”とあだ名されている男だった。彼は感応寺の上人に懇願する。
 「五重塔は百年に一度、一生に一度、めったに建つものではございません。死んでも名の残る仕事をしとうございます。」と、かねてから用意工夫してきた五重塔の精巧な雛形を上人にさしだす。真柱(塔の中心の柱)を鎖で宙吊りとし、重心のバランスをとることによって、どんな大嵐にも地震にも耐えるという。
 この柔構造の新工夫に上人は心を動かされ、紆余曲折の後、五重塔建立は十兵衛を主とし、源太が補佐する形で始まった。しかし建築が進む中十兵衛と源太、彼らを取り巻く弟子や女房の葛藤は深まっていくばかりだった・・・・。

五重塔の不思議?「心柱」(しんばしら)

 五重塔の「心柱」は地上から屋根の頂上まで一直線に伸び、他の木材と木組みされず、塔の中心を貫いている。塔を支える心柱を用いた「柔構造」は地震や台風で塔が揺れるとき、心柱が各層の木材と触れていないことで塔にかかる揺れの負担が分散される構造になっている。もし、心柱と各層の木材がガッチリ組まれていたら、強度は強くなるが強風にあった時などは耐え切れず折れてしまう。
 自然の力に逆らわず揺れることで、塔は倒れないで、何百年もの間風雨に耐えて残っているのは、構造上の知恵が隠されているからである。
 この「柔構造」の技法は、現在建築中の「東京スカイツリー」にも取り入れられており、まさに驚きである。

江戸の建築界
 『五重塔』に登場する源太や十兵衛は、江戸時代の大工という設定である。当時は現在のような建築家はいなく、大工が設計をし、工事を請負い、材木や職人の手配をし、自らも大工の仕事をした。設計や見積りをしたものを「設計豫算」(つもりがき)といい、工事全体がわかるもので、棟梁が作り実力が計り知れるものである。
 江戸時代の大工たちは、建物の部材の様子やデザインを絵図や文字で示した木版本を見て勉強、木版本がかえなければ書き写していた。技術は身体で覚えるものとされていた。
 劇中の「のっそり十兵衛」は渡り大工、旅先で様々な工事に係る中、多くの技法を会得してきている。五重塔建立への思いは自分の
腕試しの格好の仕事である。

五重塔……その魅力
 
『五重塔』は「のっそり十兵衛」と仇名されるその主人公の不屈な自己貫徹の生きざまと、塔建立をめぐる様々な人間関係の機微が描き出され、さらにもう一つの主題が形づくられている点に大きな魅力がある。それは、十兵衛の親分筋で名うての棟梁、川越の源太はおそらく百年に一度一生に一度しかその機会がない五重塔の建立の仕事を、どうしても自分に譲れという十兵衛の理不尽な申し出に対して、三度にわたって切ない譲歩を重ねる。まず「五重塔は二人で建てよう」と次に「十兵衛は心、源太は副になってもよい」と折れ、ついに自分の用意した「下絵図」(設計図)などを自由に使ってくれとまで譲るが、十兵衛は源太の好意を感謝しつつも、すべてを断る。「十兵衛は馬鹿でものっそりでもよい、しかし寄生木(やどりぎ)になって栄えるのは嫌じゃ」といいはる。そこには徹底的に自分を立て自分を生かそうとする彼の心意気がある。一方、源太もまたその侠気と職人仲間の意地から、最後まで屈辱を堪え通す。
 職人気質の意地と意地のぶつかり合いを収めるのが、感応寺の住職「朗円上人」の度量がこの難題を説く。

 『五重塔』と役者矢之輔さん

 前進座の『五重塔』の初演は1965(昭和40)年。それ以来何度もくり返し上演され、今や前進座の代表作品の一つになっていると前置きされ、矢之輔さんの役者人生が語られた。生まれは「武蔵野前進座村」、歌舞伎一家の中で育ってきた生粋の歌舞伎役者。今は前進座の第三世代のリーダー格的存在となられている。
 初舞台は4歳。7歳の時『め組の喧嘩』で三ヶ月の旅公演に参加。17歳の時、中国公演『五重塔』の大工役で参加。以降多くの役に付かれる。
 前進座は、創立以来、歌舞伎を中心に、創作劇・翻訳劇と数多くの作品を上演、そんな中、常に座員が心がけてきたことは、「みんなが本気で取り組むこと。舞台は本物でなければいけないという思いで芝居作りをしてきました。」と矢之輔さんは語られた。『五重塔』では、大工がカンナを使って カンナくずをどんな形で出すか、ラストシーン近くの嵐の場で源太と十兵衛がノミを持ってやってくるのは何故かなど、本物が登場するという意味で魅力がいっぱいの舞台である。 乞う、ご期待!!  
(名演6月17日のお話より)
  


<配役> 

十兵衛
嵐  圭史
お浪(十兵衛の女房)
浜名 実貴
猪の松(十兵衛の息子)
浜田 翔斗
山隈祐太郎
川越源太
藤川矢之輔
お吉(源太の女房)
小林 祥子
清吉(大工)
中嶋 宏幸
鉄五郎(大工)
益城  宏
金太(大工)
本村 祐樹
政吉(大工)
又野 佐紋
仙之助(大工)
生島喜五郎
半助(渡り大工)
松涛喜八郎
半助女房
上沢 美咲
お由(源太の家の下女)
針谷理繪子
め組の鋭次(鳶頭)
武井  茂
朗円上人
中村 鶴蔵
為右衛門(感応寺用人)
山崎辰三郎
円道(役僧)
亀井 栄克
七蔵(寺男)
柳生 啓介
道益(医者)
姉川新之輔
つけ馬の女
黒河内雅子
小坊主(感応寺)
石田  聡
小坊主(作業場)
針谷理繪子
寺男
上滝啓太郎
藤井 偉策
お伝(蓬莱屋の仲居)
前園 恵子
蓬莱屋の女中
針谷理繪子
芸者
上沢 美咲
黒河内雅子
平澤  愛
大工
石田  聡
上滝啓太郎
新村宗二郎
姉川新之輔
藤井 偉策
夜廻り
新村宗二郎

 <スタッフ>

原 作 幸田 露伴
脚 色 津上  忠
演 出 鈴木 龍男
美 術 伊藤 熹朔
美術補 品川 洋一
照 明 寺田 義雄
音 楽 藤原  豊
三味線指導 杵屋佐之忠
効 果 田村  悳
舞台監督 枦川 孝一


関連サイト

劇団前進座 http://www.zenshinza.com/

幸田露伴『五重塔』http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/43289_16904.html 「青空文庫」

劇団前進座『五重塔』公演だより http://koendayori.blog111.fc2.com/blog-category-22.html

松涛喜八郎さんウェブサイト 夢見る頃を過ぎても?@http://www.geocities.jp/jamira19608888/
松涛喜八郎さんブログ unputenpu http://tanji.blog9.fc2.com/
前園恵子さんブログ おけいさんだより http://blogs.yahoo.co.jp/zenshinza_tokyo

黒河内雅子さんはやくちことば ういろううり http://www.youtube.com/watch?v=cZS5wPvRiPU


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最終更新日 2010/07/08
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