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2009年に上演した作品

2009年1月例会 劇団スイセイ・ミュージカル サウンド・オブ・ミュージックドレミの唄ブロードウェイ・ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』 作曲/リチャード・ロジャース
作詞/オスカー・ハマースタイン2世
脚本/ハワード・リンゼイ、ラッセル・クラウス
演出・日本語台本/西田直木
訳詞/西田直木、劇団文芸部
ドレミの歌 作詞/ペギー葉山

出演/中村香織、田代久雄、吉田要士、星野真衣、相原奈保子、渡辺亮、茂野陽子、加藤玲子、笹原和子、ほか
特別出演/ペギー葉山

1月21日(水)6時30分
  22日(木)6時30分
  23日(金)1時30分
中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

~決して繰り返してはならない歴史の中で、強く生き抜いた家族の実話~

~あらすじ~
 オーストリア、ザルツブルクのノンベルク修道院。アルプスの大自然の中で元気いっぱいに育ったマリアは歌うことが大好きな見習い修道女。
 天真爛漫な彼女の素行を持て余す修道院は、マリアに退役軍人トラップ大佐の7人の子どもたちの家庭教師になることを命じる。
 母を亡くしたトラップ家の子どもたちは大佐に厳格にしつけられ、音楽さえ許されなかったが、マリアの愛情と持ち前の明るさ、そして『歌』によって次第に心を開放し、打ち解けていく。マリアと大佐は互いへの愛を自覚するが、その頃、戦争が暗い影を落とし始めていた……。

 今、こんな時代だからこそ伝えたい、愛・夢・信念 そして平和という普遍のテーマを持ったこの作品は、「ドレミの歌」「エーデルワイス」「すべての山に登れ」など誰もが愛する名曲が多く、すべての年代の方たちの心を満たすことと思います。

 本来の『サウンド オブ ミュージック』の舞台が伝えたかったことをストレートに表現し、劇団スイセイ・ミュージカルならではの『サウンド オブ ミュージック』をお届けします。
2009年3月例会 文学座 『初雷』 作/川崎照代 演出/藤原新平
出演/八木昌子、倉野章子、つかもと景子、上田桃子、早坂直家、清水明彦、小笠原健吉
3月12日(木)6時30分
  13日(金)1時30分・6時30分

中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

【あらすじ】
 津田理子と兄の篤志が同居してから15年。同居のきっかけは兄嫁の他界。仕事一筋で生きてきた理子だったが、残された二人の子供たちを育てるために仕事を捨て、家事と子育てに専念したのだった。それほどの決心をさせたのは一体何か?やがて子供たちが成人し、自分の役目にもひと区切りが付いた。それは理子にとって第2の人生が幕を開けた瞬間でもあった。そして15年ぶりに兄の同級生である山岡と再会して仕事の誘いを受けることで、忘れかけていた情熱が蘇るのだった。そんなある日、津田家を思いもかけない人物が訪問する。その人物から長女智子の突拍子もない決心を知らされることになる理子と篤志。理子の心に雷鳴が響く・・・。それは春の訪れを告げる初雷にも似て、遠く鳴り響いていた。

 川崎照代が12年ぶりに文学座へ書き下ろし、演出は藤原新平が、主演を倉野章子が務めるというまさしく『野分立つ』のゴールデントリオが復活しました。芝居の進行とともに、登場人物たちの過去が浮かび上がり、各人の関係がジグソーパズルのようにつなぎ合わされていきます。次々と明らかにされる「異形家族」の真相を通して、家族の絆とは何か、女性の真の自立とは……、観る者の心に静かに問いかけてきます。
2009年5月例会 劇団俳優座 三屋清左衛門残日録『三屋清左衛門残日録~夕映えの人』 原作/藤沢周平 脚本/八木柊一郎 演出/安川修平
出演/児玉泰次、川口敦子、内田夕夜、大庭藍、山本祐梨子、荘司肇、可知靖之、志村史人、塩山誠司、立花一男、島英臣、河内浩、斉藤淳、生原麻友美、清水直子、桂ゆめ、伊東達広
5月14日(木)6時30分
  15日(金)1時30分・6時30分

中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 高評を得た『きょうの雨 あしたの風』に続く藤沢周平作品第二弾。
 東北のある小藩。前藩主の用人であった三屋清左衛門は家督を長男に譲り、隠居生活を楽しむはずだった。しかしなぜか安堵の後に強い寂廖感を覚え、「残日録」と名付けた日記に己の行動と心の内面を綴る。「日残りて昏るるに未だ遠し」暮れるにはまだ間があるからもう少し仕事をしなさいという意味がある。
 現役を退いた清左衛門を中心に彼を取り巻く人々との友情・裏切りと小料理屋「涌井」の女将みさとの淡い愛情を通して人生の夕暮れに顔を背けず、夕映えに向かってまっすぐに進む一人の男の清々しさを情緒豊かに描く。
 高齢化社会といわれる現代の日本では、定年後の人生をいかに生きるべきか、ということは重要な課題になっている。仕事という社会とのつながりを離れ、多くの人は別な側面から社会のつながりを得ようとしている。清左衛門も隠居したすぐ後には自分の自由な時間を持てるという喜びと共に、有り余る時間の量に圧倒され、一抹の淋しさを感じた。だがひるむことなく自分の残りの人生に真摯に向かっていく。
 時代劇という枠を超え現代人の生き方、あり方が鮮明に浮き彫りされる
7月例会 劇団民藝 『八月の鯨』 2009年7月例会 劇団NLT
『ハーヴィーからの贈り物』
作/メリー・チェイス
訳/黒田絵美子
演出/グレッグ・デール
出演/寺泉憲、川端槇二、木村有里、山田登是、海宝弘之、杉山美穂子、高越昭紀、藤川恵梨、葛城ゆい、佐藤まり、佐藤淳

7月15日(水)6時30分
  16日(木)1時30分・6時30分

中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 1944年にブロードウェイで上演され、足掛け5年に渡りヒットした作品が『ハーヴィーからの贈り物』(原題HARVEYハーヴェイ)です。ジェームス・スチュアート主演で映画化もされ、またスチュアート自身も舞台版に出演しました。最近でもロンドンやブロードウェイ、そしてアメリカの地方都市で上演されているファンタジックコメディの名作です。
 ハーヴィーを友人に持つエルウッドの純粋さが、周囲の人たちの強欲、無知、狂気を鮮明にさせる一方で、彼の存在が人々を愛させ、和やかにさせます。
 この作品はハーヴィーを通して人間の業の深さ、醜さ、そして友情の大切さを教えてくれるハート・ウォーミング・コメディなのです。
 カリフォルニア州の名家、ダウド家の長男エルウッドは心優しい紳士だが、最近ハーヴィーという名の不思議な親友ができた。彼の姿は見える人と見えない人がいるが、どうも予知能力等の不思議な力を持っているらしい……。
 あなたには“ハーヴィー”が見えますか?
特別例会 劇団東演朗読劇『月光の夏』 作/毛利恒之 演出/鈴木完一郎
出演/岸並万里子、江上梨乃、能登剛、南保大輔
ピアノ 根岸弥生

8月1日(土)1時30分
アートピアホール(名古屋市青少年文化センター) 栄・ナディアパーク内)
(通常の例会とは違い、月会費とは別に、特別会費が必要です。また、今回は会員以外の方もご覧いただけます。)

特別会費 2500円 一般 3000円 高校生以下 1500円

 佐賀県鳥栖市
 戦後45年のこの年、鳥栖小学校の古いグランドピアノが廃棄されようとしていた。
 かつて教師をしていた吉岡公子は、そのピアノに忘れられない思い出を秘めていた。
 そしてピアノを平和の願いの証として保存して欲しいという思いか全校集会で生徒達にその思い出を語る………
 太平洋戦争末期の昭和20年初夏、音楽学校出身の特攻隊員二人が学校に駆けつけ今生まの別れにベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」を弾き、沖縄の空に出撃していった。………。
2009年9月例会 人形劇団プーク モリエール“守銭奴”より『金壺親父恋達引』 作/井上ひさし 演出/井上幸子
“お伽草子”より『カチカチ山』
原作/太宰治 脚色・演出/岡本和彦

9月17日(木)7時
  18日(金)2時・7時
  19日(土)2時
アートピアホール(名古屋市青少年文化センター 栄・ナディアパーク内)
 井上ひさし氏初の文楽台本。モリエールの「守銭奴」を翻案したもので、1972年度芸術祭参加作品として、NHKのラジオで放送され、翌年テレビでも放映され話題になりました。
 プ一クでは1999年、劇団創立70周年を記念して初演。2003年の再演以降、毎年上演の場が広がり、2006年11月から12月にかけて、長野県の市民劇場7劇場の例会としてとりあげられています。
 江戸の商家を奏台に、守銭奴アルパゴンは金仲屋金左術門に、息子クレアントンほ万七に、その恋人アリアーヌはお舟に…と、モリエール戯曲の人物設定を踏まえています。
 “金壺命”の主人公、金仲屋金左衛門を中心に、倅や娘の悲喜こもごもの“恋”と金銭欲にからむ人々の滑稽な姿を、人形劇ならではの表現を駆使して、お届けいたします。

カチカチ山
 誰でも知っているこのお伽話も、太宰治の手にかかると、風刺と笑いに満ちた人間洞察のパロディに早替わり。
 美少女のうさぎにぞっこん惚れ込んだ中年狸。背中を焼かれ、なぷられ、それでもうさぎを愛さずにはいられない。
 最後はだまされ…、泥船に乗せられ…。
 おかしくも哀しい男と女の物語。
2009年11月例会 劇団民藝『静かな落日~広津家三代~』 作/吉永仁郎
演出/高橋清祐
出演/伊藤孝雄、樫山文枝、安田正利、水谷貞雄、小杉勇二、松田史朗、大場泉、伊東理昭、武藤兼治、梶野稔、塩田泰久、平松敬綱、田畑ゆり、仙北谷和子、相葉早苗、藤巻るも、飯野美穂子

11月12日(木)6時30分
   13日(金)1時30分・6時30分

中京大学文化市民会館プルニエホール(名古屋市民会館中ホール)

 思わずこぼれる笑い、知らず知らずのうちにあふれる涙、心にしみるセリフの数々。祖父と父と娘・作家三代のおかしな家族の近景をユーモラスに描き出した、評伝劇の名手・吉永仁郎の傑作戯曲です。松川裁判にペン一本で挑む広津和郎とその娘・桃子。家族をむすぶ不器用で深い愛情、そして和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との男の友情を描きながら、家族のあり方、人間の生き方、そして人が真実にむかっていく姿勢を凛として浮かびあがらせます。樫山文枝と伊藤孝雄のコンビで新境地を開いた心に残る美しい舞台。どんな事があってもめげずに、忍耐強く、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生きとおしていく??忘れられた文学者・広津和郎のことばが、いま鮮やかによみがえります。

 1949年、福島県松川を突然おそった列車転覆の大事件。検挙された容疑者20名が第一審で死刑を含む有罪判決。無実の罪の被告たちを救うため、ペン一本で奮闘する広津和郎。その父を支え続ける娘・桃子??しかし戦前は母との別居によって心にうずまく父への不信、そして戦中は戦争協力を忌避して「負ける戦争はしないものだ」とうそぶく父への憤り。松川裁判をたたかいつづける病身の父にぴったり寄りそう桃子は、信頼と尊敬の念をこめて「好きよ。お父さんが好き」と一人つぶやきます。