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2003年に上演した作品

2003年1月例会 無名塾公演 『セールスマンの死』 作/アーサー・ミラー 訳/倉橋健 演出/林 清人
出演/仲代達矢、小宮久美子、野崎海太郎、ほか
1月22日(水)6時30分 23日(木)6時30分
24日(金)1時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

家族の愛に守られながらも、巨大な社会機構の中で押し潰されていく人間の悲劇。父子・夫婦・家族という永遠のテーマを描いた、アーサー・ミラーの傑作に仲代達矢が挑みます。
2003年3月例会 劇団えるむ公演『みすゞ凛々』 矢崎節夫著「金子みすゞの生涯」による
台本・演出/ふじたあさや 音楽/吉岡しげ美
出演/成田明哉、吉川秀樹、丸山詠二、小川里永子、ほか
3月12日(水)6時45分 13日(木)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

童謡詩人金子みすゞは、明治36年、山口県仙崎(長門市)に生まれ、昭和五年、満26歳でみずから命を絶った。みすゞはなぜ死を選んだのか?どんな生活がみすゞの詩の背後にあったのか?
ドラマは、みすゞの足跡をたずねるドキュメントの形で展開する。そして、彼女の詩の数々が、美しいメロディーを伴って紹介され、彼女を知る人々の証言から、浮かび上がってくる彼女の在りし日の姿。
これは報告であり、ドラマであり、コンサートであり、何よりも金子みすゞに捧げる鎮魂譜である。
2003年5月例会 モスクワ・ユーゴザーパド劇場公演 『夏の夜の夢』 作/ウィリアム・シェイクスピア 翻訳/堀江新二
演出/ワレリー・ベリャコーヴィチ
出演/ワレリー・アファカナシェフ、アレクセイ・ワーニン、セルゲイ・ベリャコーヴィチ、ほか
5月29日(木)6時30分 30日(金)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

モスクワ・ユーゴザーパド劇場の芸達者たちが繰り広げる、優雅な貴族社会・これほど汚い俳優をどこから集めてきたのかと目を覆いたくなるような職人たち・ほとんど裸同然の妖精たち。この3つの世界が織りなす彩色豊かな鮮やかな舞台は、オペラとバレエと演劇の手法を巧みに取り入れる鬼才ベリャコーヴィチの手で、世界中のだれでもお腹をかかえて笑いこける抱腹絶倒の喜劇として、モスクワっ子のみならず、アメリカでも大好評を博しました。
これぞ演劇の原点とも言うべき娯楽性とヒューマニズム、混沌とした社会に想像力の翼を大きく広げて、心豊かに会場をあとにする芝居--これこそユーゴザーパド劇場が日本の演劇界に与えてくれたものでしょう。
2003年6月例会 東京芸術座制作公演 『NEWS NEWS -テレビは何を伝えたか-』 作/平石耕一 演出/西川信廣
出演/林秀樹、鴨川てんし、山崎美貴、得丸伸二、水野ゆふ、村治学、白鳥哲、ほか
6月25日(水)6時45分 26日(木)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

北アルプスの玄関口で知られる観光都市「松本」。1994年6月27日深夜。閑静な住宅街を毒ガスのようなものが襲い死者と多数の重症者をだす事件が起こる。松本サリン事件である。この日から、テレビ各局の「ニュース戦争」が始まった。第一通報者の自宅の上空にヘリコプターが舞い何百人ものメディア関係者が、病院、警察、そして第一通報者宅を取り囲む。しかし、そこから送り出された情報は……。
そして一年が過ぎた。市内の高校の放送部が、この事件の報道に携わった記者にインタビューするため、地元のテレビ局を訪ねた。取材を拒否されると覚悟していた高校生のカメラの前に報道部長と記者たちが座る。
「なぜ、誤報が流れたのか」「なぜ第一通報者から対象を切り換えられなかったのか」次々に出される素朴な質問に記者たちは、事件の発生当時を振り返りながら、静かに語りはじめた。「いったい私たちは、そしてテレビは何を伝えてきたのか」と自問しながら。そこには「人間」としてのテレビ人がいた。
劇団青年座公演 『赤シャツ』 作/マキノノゾミ 演出/宮田慶子
出演/横堀悦夫、大家仁志、長谷川稀世、野々村のん、蟹江一平、ほか
7月24日(木)6時30分 25日(金)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

時は明治38年。日露戦争の勝利に湧く四国辺のとある城下町。中学校教頭赤シャツは、帝大卒業の文学士。月一回は同僚と文学研究会「ミューズの会」を催す。洒落た洋間の書斎には自慢の蓄音機。輸入物のウィスキーとパイプ。そして何といっても当時流行していた赤シャツ。どこから見ても当世流円滑紳士の見本のような彼は、城下町でも一目置かれる存在。
しかしそれは第五回「ミューズの会」がとり行われるまでの事。ほんの些細な行き違いから、誤解は誤解を、事件は事件を呼び、噂は町中に。下女のウシも巻き込んで迷走する赤シャツの運命やいかに…。兎角に人の世は住みにくい。
2003年9月例会 劇団文学座公演 『リチャード三世』 作/シェイクスピア 訳/坪内逍遙
演出/レオン・ルービン
演出助手/西川信廣
出演/江守徹、外山誠二、山本深紅、清水明彦、征矢かおる、ほか
9月18日(木)6時30分 19日(金)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホ-ル

舞台、テレビ、映画、と幅広い分野で、多彩に活躍を続ける江守徹の主演作品。今回はロイヤルシェイクスピア・カンパニー演出助手やブリストル・オールドヴィック劇場芸術監督などを経て、現在ミドルセックス大学教授としても活躍しているイギリス人演出家レオン・ルービンを演出に迎えます。
日本とイギリスを代表する演劇人といっても過言ではないこの2人の個性のぶつかり合いから生まれる、彼らのエネルギーと豊かな創造性、シェイクスピア作品に対する経験の豊かさから生まれる舞台は、かつてない斬新なシェイクスピア作品となるでしょう。
2003年11月例会 木山事務所公演 一人ミュージカル『壁の中の妖精』 作・演出/福田善之 音楽/上田亨 出演/春風ひとみ
演奏/伊藤弘一(ピアノ)、細井智(ギター)
11月19日(水)6時30分 20日(木)6時30分 21日(金)1時30分
名古屋市民会館中ホ-ル

スペイン戦争後の30年間(1939-69)、アンダルシアの小さな村の床屋で素朴な社会主義者の夫は、フランコ独裁政権による処刑をまぬがれるため、自宅の壁の中で隠れて過ごした。その彼を支え励まし続けた、妻と娘の劇的な30年間の生活を描いた一人ミュージカル。
激しい政治の季節の中で、勇気と楽天性をもって生き抜いた家族を、春風ひとみがダイナミックに語り、歌い、踊る。
「いま、生きていることを素晴らしいと感じさせるドラマが、どれほど創られているか」「一人芝居の名作のレパートリーの一つ」などの賛辞に包まれて、第28回紀伊國屋演劇賞・個人賞を福田善之と春風ひとみがともに受賞した。